経緯

去る1月28日、ある行政の担当者様が災害保存水の入札前に、当協会のチェックリストを基に工場の視察に訪れました。対応したなかで、行政の災害備蓄保存水の安全基準が確立されていない事に危機感を覚え、今回保存水の規格書を提案する運びとなりました。

災害備蓄保存水の安全基準の目安について

近年の大きな地震災害が起こったことにより、各都道府県、自治体など災害条例に基づき、独自の防災完備を施し、災害に備えて食料、飲料、生活用品などを準備して想定できる災害地震に対応しようとしています。

当協会が災害保存水の推奨をしていくことにあたり、常々思っていたことは、災害保存水は飲料の後発であるため、災害保存水用の安全基準が法律的に特になく、清涼飲料水の安全基準が適用されているため曖昧な部分、特に市場に出回っている災害保存水が賞味期限の記載通りに飲めるのか等、当協会に行政や自治体、一般消費者からも災害保存水の安全基準についてのお問い合わせがあり、何かできないか考えておりました。

現状を知るべく、市場調査などをいたしましたが、十分な安全基準であろう商品と、不十分な安全基準であろう商品が乱立しており驚かされました。保存期間が5年~12年と様々にありますが、加熱殺菌されていない商品(食品衛生法では清涼飲料水の安全基準 加熱殺菌 中心温度85℃の温度で30分殺菌、又はそれと同等に殺菌されたもの)や、生産工場の操業年数が賞味期限に達していない工場、不衛生に管理をしているであろう会社などが災害保存水を製造、販売していることがわかりました。

実際に購入した行政や大学で聞いたところ、取り扱った災害保存水から、「異臭がした」「カビ、藻が発生している」「開栓していないキャップから水が漏れている」などのクレームなども聞きました。

購入者が災害保存水を購入する際、情報として、インターネットで調べる、市場を調べる、紹介、行政で扱われている位の情報しかなく、購入担当者は災害保存水の安全基準の定義や保障担保の定義がしっかりわからないのが現状です。

当協会は、「安全」「安心」の災害保存水の選び方をしてもらうため、商品の安全保証の定義を提唱し、皆様のお役に立てる安全基準を提案することとしました。

保存水規格書

1

保存期間がユーザーの納品日より5年以上のもの。

2

薬剤、紫外線、ナノフィルターなどを使用せず、高温加熱殺菌処理方法とし、中心温度を85℃で30分間加熱する方法、又はそれと同等の加熱殺菌で、原水に含まれる微生物、又は発育し得る微生物を死滅させ、除去するのに十分な効力を有する方法で行わなければならない。
食品衛生法 清涼飲料水等の規格基準 食品、添加物等の規格基準(昭和34年厚生 労働省告示第370号 2清涼飲料水の製造基準)参照。

3

カルシウム、マグネシウムなどの含有量を示す硬度については、100mg/L以内(軟水相当)とする。/マグネシウムなどの成分などにより、ミネラルウォーターの硬度が高すぎると、体に合わずに下痢などの体調不良になることもあるため。

4

ペットボトル及びキャップは長期保存できる硬質タイプ(厚みや強度)を使用したものであること。

5

ラベルは劣化防止のためPETラベルのもの

6

賞味期限まで保管しても、内容量が計測法の下限値以上のもの。又はラベル記載に て表記以上のもの。

7

ダンボール製の箱又は遮光性のある箱(プラスチック箱等)に収納されており、外部のホコリが入らないように取って穴がないこと。また、ダンボール箱は底抜け防止(粘着性テープ)してあるもの。積み重ね保管が可能なもの。(ビニールなどによる梱包は不可)

8

賞味期限などの記載は数字や日本語による表記とする。

9

商品を5年以上保存後、公的機関にて検査し、適合したもの。又は、商品を加速度検査(5年以上保存と同等)にて劣化させた後、公的機関にて検査し、適合したもの。毎年、検査を実施したとしても、検体が保証期間を経年していない、例えば当年の生産品であれば、全く無意味であるが、そのような商品が散見される。

10

5年保存水の場合は、充填工場が6年以上販売実績のあるもの。市場に出回った後に5年を経過しているので、その際、水質に問題があれば大きなクレームが生じることになる。クレームがないこと自体が5年の保証期間を経ても品質が維持できることを意味する。

実例

 ある行政が災害保存水の入札前に、当協会のチェックリストを基に生産工場を見学致しました。その上で、安全基準の保存水規格書を基に入札条件を作成し、入札をされました。

製造工場の見学

工場外の視察
工場外の視察

工場内、準衛生区での視察
工場内、準衛生区での視察

商品のチェック
商品のチェック

製品原水の移水風景
製品原水の移水風景

準衛生区
準衛生区

協会の考え

近年の様々な災害により、災害時用保存水はビジネスの市場価値が高まりました。そこに多くの商品が出回るのは当然の事だと思います。良い商品が多く出回るのは消費者にとって良い事ですが、災害時用保存水として、不適合と言わざるを得ないものが多く出回っているのも事実です。何の実績もなく、ただ自社の利益の為に売れれば良いと参入してきている一部の業者が存在しており、名ばかりの保存水が次々と販売されていくこの状態を当協会は危惧しています。

これは、購入者にとってもリスクの高いものを知らずの内に選択してしまう可能性がありますし、きちんと正しい製法によって品質を守っている製造メーカー様への冒涜と言っても良いかもしれません。

当協会が提案した規格書は、保存水としての意義を考え取り扱っている製造メーカー様ならば、この基準を満たすことは難しくありません。

ご購入者様や行政担当者様に至りましては、災害時に、体が衰弱している時に飲むお水というものをもう一度お考えください。経済活動によって販売された名ばかりの保存水を、家族に、守るべき市民に飲ませることができますか。何かあった場合どうしてあげられますか。どう責任がとれるでしょうか。後悔は先に立ちません。

当協会では、積極的に工場見学や災害時用保存水についてのご相談を受け付けております。ご相談や工場見学に関しまして料金などは発生致しません。お気軽にお声かけ下さい。

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